Spring開発環境の構築(Spring Tools)
この章では、Spring Bootアプリを Eclipse で開発するための Spring Tools のインストールと、 Spring Initializr を使ったプロジェクト作成・起動確認の手順を解説する。 対象OS: Windows
前提条件
この章を進める前に、「Java開発環境の構築(JDK + Eclipse)」が完了している必要がある。 JDK 21 と Eclipse がインストールされていることを確認してから進むこと。
学習のゴール
- Eclipse に Spring Tools がインストールされている
- Spring Initializr でプロジェクトを作成できる
- DemoApplication.java を実行してSpring Bootが起動できる
- ブラウザで
http://localhost:8080にアクセスできる
Step 1: Spring Tools のインストール
Spring Tools は Eclipse の拡張プラグインで、Spring Boot プロジェクトの作成・開発を支援する。
Eclipse 2025 以降の環境について
Eclipse 2025 以降のバージョンでは、Spring Tools(aka Spring Tool Suite) がデフォルトでインストール済みである。
この場合、追加のインストール作業は不要である。
インストール済みかの確認方法
- Eclipse を起動する
- メニューから「ファイル」→「新規」を選択し、「Spring スターター・プロジェクト」 が表示されていれば準備完了
- または「ヘルプ」→「Eclipse Marketplace...」で「Spring Tools」が「Installed」と表示されていればOK
手動インストールが必要な場合(古い Eclipse やカスタム環境)
- Eclipse を起動する
- メニューから「ヘルプ」→「Eclipse Marketplace...」を選択する
- 検索欄に
Spring Toolsと入力して「Go」をクリックする - 検索結果に表示された Spring Tools (aka Spring Tool Suite) 5.x の「Install」をクリックする
- ライセンスに同意して「Finish」をクリックする
- インストールが完了したら Eclipse を再起動する
Eclipse を再起動後、「ファイル」→「新規」に 「Spring スターター・プロジェクト」 という項目が 追加されていれば Spring Tools のインストール成功である。
- Spring Tools は Eclipse 2025-12 以降に正式対応し、Spring Framework 7 や Spring Boot 4 もサポートされている。
- デフォルト構成では Spring Initializr や Boot Dashboard などが統合されており、追加設定なしですぐに開発を始められる。
- Spring 関連ファイルや設定も自動検出されるため、プロジェクトプロパティでの手動設定はほとんど不要。
Step 2: Spring Initializr でプロジェクト作成
プロジェクトの新規作成
- 「ファイル」→「新規」→「Spring スターター・プロジェクト」をクリックする
- プロジェクトの基本設定を入力する
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| Name | demo |
| Type | Maven |
| Packaging | Jar |
| Java Version | 21 |
| Language | Java |
| Group | com.example |
| Artifact | demo |
| Package | com.example.demo |
- 「次へ」をクリックする
Step 3: 依存関係の追加
Spring Boot を使ったWebアプリ開発に必要な依存関係を選択する。
基本的なWebアプリ開発に必要な依存関係
検索欄で名前を検索してチェックを入れる。
| 依存関係 | 用途 |
|---|---|
| Spring Web | HTTPリクエストを処理するWebアプリ開発の基本(必須) |
| Thymeleaf | HTMLテンプレートエンジン(必須) |
| Spring Boot DevTools | ファイル変更時の自動再起動(開発効率向上) |
MyBatis・PostgreSQL を使う章(Spring教材9章)では追加で必要
| 依存関係 | 用途 |
|---|---|
| MyBatis Framework | O/Rマッパー(DBアクセス) |
| PostgreSQL Driver | PostgreSQL接続用JDBCドライバ |
MyBatis Framework や PostgreSQL Driver をこの段階で追加すると、
src/main/resources/application.properties にデータベース接続設定を記述しない限り、Spring Boot の起動時にエラーとなる。
(デフォルト設定ではDB接続先が見つからず、アプリが起動できない)
起動確認だけを行う場合は、MyBatisやPostgreSQL Driverは依存関係に含めないこと。
Webアプリの基本動作確認(http://localhost:8080 での起動)には「Spring Web」「Thymeleaf」「Spring Boot DevTools」だけで十分である。
DBアクセスが必要になったタイミングで、pom.xml に <dependency> タグを追記して依存関係を追加し、
その後で application.properties の設定も行うこと。
「完了」をクリックするとプロジェクトが作成される。
Step 4: アプリの起動確認
DemoApplication.java の実行
- プロジェクト・エクスプローラーで
src/main/java→com.example.demo→DemoApplication.javaを探す DemoApplication.javaを右クリックする- 「実行」→「Spring Bootアプリケーション」を選択する
コンソールに以下のようなログが表示されれば起動成功である。
. ____ _ __ _ _
/\\ / ___'_ __ _ _(_)_ __ __ _ \ \ \ \
...
Started DemoApplication in x.xxx seconds (process running for x.xxx)
ブラウザでの確認
ブラウザで以下のURLにアクセスする。
http://localhost:8080
「Whitelabel Error Page」が表示されれば、Spring Boot が正常に起動している。 (これはまだコントローラが存在しないため表示される画面であり、起動成功の証拠である。)
Web server failed to start. Port 8080 was already in use. というエラーが出た場合は、
src/main/resources/application.properties に以下を追加してポートを変更する。
server.port=8081
その場合は http://localhost:8081 でアクセスする。
アプリの停止
コンソールパネルの赤い「停止」ボタンをクリックすると Spring Boot アプリが停止する。
まとめ
| 確認項目 | 操作 |
|---|---|
| Spring Tools インストール | Eclipse Marketplace で「Spring Tools」を検索してインストール |
| プロジェクト作成 | 「新規」→「Spring スターター・プロジェクト」 |
| 依存関係(基本) | Spring Web + Thymeleaf + DevTools |
| 依存関係(DB使用時) | + MyBatis Framework + PostgreSQL Driver |
| アプリ起動 | DemoApplication.java → 右クリック → 「Spring Bootアプリケーション」 |
| 起動確認 | http://localhost:8080 にアクセス |
これで Spring 開発環境の構築は完了である。 Spring の使い方は「Spring」カテゴリの教材で学ぶ。